2006年9月5日(火)「しんぶん赤旗」
偽装請負解消へ通達
厚労省 行政処分も
共産党が要求
厚生労働省は四日、製造現場はじめ各職種で問題になっている違法労働・偽装請負の防止、解消をはかるために各県の労働局長に対し通達をだし指導、強化のとりくみを指示しました。労働基準局長、職業安定局長名によるもの。
指示内容は、広報の強化とともに(1)職業安定行政と労働基準行政とが情報を共有し、製造業の大規模事業所などに共同監督を計画的におこなう(2)安全衛生法に違反して死亡災害を発生させた場合、事業主にたいして司法処分はじめ厳格に対応する(3)違反事業者にたいし全事業所へのいっせい自主点検を求め、違反を繰り返す事業主には行政処分をおこなう(4)製造業以外の職種に同様の措置をとる――としています。
トヨタ、松下、キヤノンという日本を代表する企業やその系列での偽装請負が社会問題化しています。劣悪な労働条件やルール無視の実態を告発する労働者の勇気あるたたかい、日本共産党の国会質問などによって、手直しを迫られる企業が相次いでいます。
川崎厚労相も「国会で随分質問をいただき、偽装請負は是正を求めていかなければならない」(八月の記者会見)とのべていました。
偽装請負は、実態は派遣労働者でありながら、請負であるかのように働かせているもの。厚労省の調査では、〇五年に監督に入った請負事業者八百七十九件のうち六百十六件、発注者六百六十件のうち三百五十八件で違反がみつかり、是正指導をしました。
根絶のため力尽くす
日本共産党の小池晃参院議員の話 私が四年前の国会質問で取り上げて以来、日本共産党は繰り返しこの企業の違法行為を取り締まれと追及してきた。政府はようやく重い腰を上げたが、この通達で終わらせるのでなく、犯罪行為である偽装請負を徹底的に取り締まるべきだ。根絶のため引き続き力を尽くしたい。
偽装請負 派遣労働者は、派遣会社と契約を結び、実際の労働は派遣先企業でその指揮のもとに行います。期間は一年と限定(二〇〇七年三月から三年)されており、期間を超えた場合、派遣先企業は雇用責任を負います。これを免れるために企業は請負と偽装して働かせています。本来の請負は仕事を請け負った業者がその責任で仕上げ納品します。契約が請負であっても契約者の指揮で働かせれば違法となります。