2006年9月9日(土)「しんぶん赤旗」

韓国と日本共産党との交流の太い道が開かれた

ソウルでの記者会見 志位委員長の発言

(大要)


 日本共産党の志位和夫委員長は七日、ソウル市内のホテルで記者会見にのぞみました。会見での志位氏の冒頭の発言を紹介します。


写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長=7日、ソウル

3日間の交流について

 私にとって初めての韓国訪問になりますが、今回の韓国訪問にあたっては、韓国の国民のみなさん、政界の方々、各界の方々と日本共産党が広く交流する道を開きたいと願ってまいりました。

 私はまず、西大門刑務所跡の歴史館を訪れ、日本帝国主義の迫害によって犠牲になった朝鮮の愛国者にたいして追悼の思いを込めて献花をいたしました。

 政界との交流では、韓国国会の林采正(イム・チェジョン)議長、四つの政党のリーダー、すなわち開かれたウリ党、ハンナラ党、民主党、国民中心党の代表・院内代表と会談しました。民主労働党については、アジア政党国際会議の期間中に、代表と会談する予定です。

 韓国の著名な歴史学者の姜萬吉(カン・マンギル)高麗大名誉教授、趙グァン(チョ・グァン)高麗大文科大学学長とお会いし、歴史問題、世界とアジアの未来について、突っ込んだ意見交換をいたしました。姜萬吉名誉教授とは西大門の地であいましたが、一九八三年にこの刑務所に投獄されたという経験をお聞きしました。

 さらに昨日、私たちは延世大学を訪ね、学生・院生のみなさん、約六十人の若い方々との集いに参加しました。私がまずお話をし、自由な一問一答を行うという、たいへん楽しい、幸せなひとときを過ごすことができました。そのあと延世大学などの歴史学の教授とも突っ込んだ懇談をしました。

 政界・各界のみなさんとの交流を通じて、日本共産党と韓国との交流の太い道が開かれたと思います。とくに韓国の政界のみなさんとは、すべての政党のリーダーとお会いし、どの政党とも交流をすすめていきたい、韓国政界の全体との交流をすすめていきたいとの思いでまいりましたが、今回の一連の会談を通じて、韓国政界との本格的な交流がこれを機会にすすむだろうという期待を持っております。

 韓国の政界のみなさん、各界のみなさんは、どこでも日本共産党の代表団を温かく迎え入れ、歓迎してくださいました。私たちとの間には何の壁もない、心が通じ合うと感じました。このことに私は、大きな感動を覚えております。長い間、韓国訪問を願っていましたが、こういう形で訪韓が実現したことは、感無量の思いです。

歴史問題の解決は、友好の不可欠の土台

 交流の内容の面では、全体の交流を通じて、歴史問題の解決をはかることが、二十一世紀に、日本国民と韓国国民の真の友好のためには不可欠の土台だということを、生きた体験をつうじて痛感しました。

 日本の首相の靖国参拝問題には、どこでも強い憂慮と批判の声が寄せられました。この問題の解決なくしては、両国民の間での心からの友好の関係は築けないことをあらためて痛感しました。

 そしてこの問題では、私たち日本共産党は、一九二二年に党を創立して以来、朝鮮に対する日本帝国主義の植民地支配に反対し、朝鮮独立を求めるこの地の愛国者と連帯してたたかった歴史を持っております。私たちはそれを誇りに思っています。この歴史が、二十一世紀の今日に生きていることを、強く感じました。

 私は、そういう歴史をもつ党として、日本共産党がいま、歴史の真実をゆがめようとする逆流に対して、日本の政治に責任を負う政党として、それを許さないたたかいを進めていることを紹介しました。

 歴史問題では、私がお会いした韓国国会議長、すべての政党のリーダー、歴史学者のみなさん、若いみなさん、どの方々との交流でも、この問題を克服することが、二十一世紀の日韓両国民の真の友好の土台になる、この点では意見の一致をみたと考えます。

 日韓関係には、さまざまな解決すべき問題があります。しかし、どの問題をとっても、歴史問題で日本側の反省をきちんと明確にする、それが土台になってこそ、冷静で理性的な話し合いができる、難しい問題でもこの土台があるならば、必ず解決がはかられるということを、私は感じました。

 日本共産党は、歴史問題という日韓の両国間に突き刺さっている問題を解決し、二十一世紀が、本当に日韓両国民が心からの友好で結ばれた関係に発展する時代となるために力をつくすものです。


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