2006年9月10日(日)「しんぶん赤旗」
平和のアジア共同体へ
日本外交 5つの転換を
アジア政党会議 志位委員長が発言
【ソウル=丸山聡子】韓国のソウルで開かれている第四回アジア政党国際会議二日目の九日、全体会議で日本共産党の志位和夫委員長が発言しました。
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志位委員長は冒頭、「この会議の開催自体が、分断と敵対から友好と平和へという、巨大な歴史的転換を象徴するものだ」と、会議の意義を強調しました。
つづいて、二年前の政党会議以降の世界とアジアの情勢の進展について言及しました。「自主的な地域共同体の動きが発展していることに注意を向ける必要がある」と指摘。東南アジア諸国連合(ASEAN)が結んだ東南アジア友好協力条約(TAC)に世界人口の53%を擁する諸国が参加していること、上海協力機構(SCO)が平和の機構として発展していることに触れ、「この方向にこそ、アジア諸国民の平和、友好、進歩、繁栄を保障する大道があることを強調したい」と語りました。
北東アジアについて、「六カ国協議の枠組みが、直面する困難を打開して核問題の解決をはかり、この地域の平和と安定のための共同の機構に発展することを心から願う」と訴えました。
平和なアジア共同体をつくるうえでの日本の役割について、五つにわたって日本外交の転換を提起しました。
第一に日本が過去におこなった侵略戦争と植民地支配を正当化する逆流を克服することです。志位委員長は、「一九二二年の創立以来、日本軍国主義の侵略戦争と植民地支配に命がけで反対をつらぬいた政党として、日本外交のこのゆがみをとりのぞくために力をつくす」と強調しました。
さらに、▽アメリカと、対等・平等の真の友好関係を確立する▽軍事偏重でなく、外交による問題解決に徹する姿勢を確立する▽いかなる国でも覇権を認めず、国連憲章にもとづく平和秩序を守り、被爆国の政府として地球規模での核兵器廃絶を緊急課題として追求する▽社会制度の異なる諸国の平和共存および異なる価値観をもった諸文明間の対話と共存の確立に力をつくす―の四つを提起し、「平和のアジア共同体を実現するために、力を合わせよう」と呼びかけました。