2006年9月12日(火)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」研修
被処分教師に強行
都教委
東京都教育委員会は十一日、今春の卒業式や入学式で「日の丸・君が代」の強制命令に従わないことを理由に処分した公立学校教師三十五人のうち、減給や停職処分を受けた教師への「研修」を強行しました。被処分者団体は「思想・信条の転向を強いるものだ」と抗議声明を発表しました。
都教委は二〇〇四年以来、卒業式など「日の丸・君が代」を強制する「10・23通達」に基づく職務命令に違反した教師に対し、「服務事故再発防止研修」を実施しています。七月に強行した「基本研修」に続いて、「専門研修」を受けるのは十四人。この日は午前・午後合わせて八人が受講。研修は十五日の午前と午後にも行われます。
研修会場の東京都総合技術教育センター(文京区)前には、研修受講者を支援する人々が多数つめかけました。
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会の星野直之共同代表は「都教委の違憲・違法行為、公権力による人権侵害を認めることはできない」などとする抗議声明を読み上げ、支援者は「教育の自由を守ろう」と訴えました。
研修を受けた都立高校の女性教師(54)は「講師は、なぜこんな研修をするのかというこちらの質問にもまともに答えず、用意された文書を読み上げるだけだった」と、感想を述べました。