2006年9月15日(金)「しんぶん赤旗」
消費税増でGDP減
5%アップなら実質1.9%ダウン
消費支出2.7%減 三菱総研が試算
民間シンクタンクの三菱総合研究所は十四日、消費税率を現行5%から10%に引き上げた場合、実質民間消費支出を2・7%押し下げ、実質国内総生産(GDP)を1・9%押し下げるとの試算結果を発表しました。リポートは、消費税率の引き上げが「わが国の経済成長率をマイナスに転じさせる可能性がある」と警告しています。
同リポートは、消費税率の引き上げが与える影響について、消費財の価格が上昇し家計消費が減退する、と指摘。家計消費の減少が、企業の生産量を減少させ、「企業で働く雇用者の給与所得の低下に結びつく。給与所得の低下がさらなる家計消費の減少を招く」とのべ、経済全体が縮小均衡の経路をたどることになるとのべています。
税率が8%(3%引き上げ)の場合、実質民間消費を1・6%押し下げ、実質GDPは1・1%押し下げると試算しています。税率を10%に引き上げ、生活必需品について通常の税率より低くする「軽減税率」を食料品や一般医薬品などの五品目に導入した場合でも、実質GDPを1・6%押し下げるとしています。
さらに、消費税の福祉目的税化については「社会保障サービスと消費税の間には明確な受益と負担の関係がない」と指摘。特定財源を増やすことで、「財政透明性が低下を招くなど、消費税を目的税に転換することには問題点が多い」としています。