2006年9月24日(日)「しんぶん赤旗」
イラク帰還米軍と訓練
陸自が来月共同演習
陸上自衛隊は十月中旬から関山演習場(新潟県)などで日米共同実動訓練を計画しています。この訓練に米側から参加する部隊が、イラク・ファルージャなどで市民多数を殺害した掃討作戦に加わっていた部隊であることが、二十三日までに分かりました。
米側の参加部隊は、オレゴン陸軍州兵第四一歩兵旅団第一六二歩兵連隊第二大隊の約二百四十人。同大隊は、二〇〇五年三月に帰還するまでの約一年間、イラクに展開していました。
オレゴン州軍の機関紙「オレゴン・センチネル」(〇五年三―四月号)やオレゴン州政府の報道発表によると、同大隊は〇三年十月に動員がかかり、米国内で訓練をへた後、イラクへ出撃。「展開の期間、同大隊の兵士は、ファルージャとナジャフの重要な戦闘に参加」しました。
また、「イラクでもっとも激戦となった地域の一つ」であるバグダッドのサドル・シティーでも、治安維持作戦に加わっています。
米軍は、ファルージャで行った掃討作戦で、罪のない市民多数を虐殺し、国際社会から強い非難を浴びました。ナジャフやサドル・シティーでの戦闘でも、多くの市民が犠牲になっています。
日米共同訓練は、十月十六日から二十六日までの十一日間。日本側の参加部隊は、第一空挺(くうてい)団(千葉県船橋市)の約三百五十人です。
第一空挺団はイラク特措法に基づく陸自第九次派兵部隊に加わり、イラクの都市サマワに派兵されていました(今年一―七月)。
第一空挺団は、陸自の精鋭部隊の一つ。陸自の海外派兵に関する計画・訓練・指揮を一元的に行うため今年度中に創設予定の中央即応集団司令部のもとに置かれることになっています。
今回の共同訓練は、イラクで激しい実戦経験を積んだ米軍と、同じくイラクでの活動経験を持つ自衛隊が行う形になります。
近年の日米共同訓練では、米側の参加部隊に、イラクやアフガニスタンから帰還した部隊が激増しています。米側は、共同訓練で海外での日米共同作戦を想定していることを繰り返し公言しています。今回の訓練も、こうしたものになることは必至です。