2006年10月2日(月)「しんぶん赤旗」
“靖国史観”・「村山談話」・「従軍慰安婦」問題
安倍首相に問われる
歴史認識 3つの点
NHK番組 志位委員長が発言
日本共産党の志位和夫委員長は一日、NHK番組「日曜討論」に出演しました。靖国参拝を強行した小泉純一郎前首相でも、歴史認識としては過去の「植民地支配と侵略」への反省を口にしたのに比べても、安倍晋三首相が、こうした反省を一切語っていないことを指摘し、「(安倍氏には)歴史認識では三つの点が端的に問われてくる」と述べました。
第一は、靖国神社が掲げている歴史観を是とするのか、非とするのか、です。
靖国神社は、日清・日露戦争から、中国侵略、太平洋戦争までの戦争のすべてを「アジア解放」「自存自衛」のための「正義の戦争」だったとして正当化しています。
志位氏は、民放番組で安倍氏と討論した際、「歴史が判断するだろう」と述べたことをあげ、「(みずからの歴史認識を)言わないでは済まされない」と強調しました。
第二は、一九九五年に村山富市首相(当時)が出した談話に対する態度です。
「村山談話」は、過去に日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったことに対する「反省」を述べています。しかし安倍氏は、この談話の立場を踏襲する姿勢を今なお示していません。
第三は、「従軍慰安婦」問題で旧日本軍の関与を認め、「おわびと反省」を表明した河野洋平官房長官(当時)の談話(九三年)に対する態度です。
安倍氏は、河野談話に対し、「根拠が崩れた」として、「修正」を求めてきた経過があります。
志位氏は、この三点をあげた上で、「過去に犯した誤りに正面から向き合ってこそ、未来の本当の友人がつくれる」と指摘。韓国訪問でも、韓国側が、かつての植民地支配への怒りとともに、日本との友好を強く願っていると感じたことを紹介し、「アジア諸国と友好な関係をつくっていく上でも(歴史認識の問題は)避けては通れない」と述べ、国会論戦でただしていく考えを表明しました。