2006年10月3日(火)「しんぶん赤旗」
A級戦犯の戦争責任
安倍首相が認めず
安倍晋三首相は二日の衆院本会議での代表質問で、A級戦犯の戦争責任について問われ、「政府として断定することは適当ではない」とのべ、責任を認めませんでした。民主党・鳩山由紀夫幹事長への答弁です。
A級戦犯の戦争責任については、小泉純一郎前首相が「戦争犯罪人であるという認識をしている」(二〇〇五年六月二日)との認識を示していました。安倍氏の答弁は、小泉氏よりも後退したものです。A級戦犯を裁いた東京裁判については「わが国はサンフランシスコ講和条約により、裁判を受諾しており、国と国との関係において異議をのべる立場にない」とのべました。
また首相は、過去の日本の戦争とアジアへの行為について、「村山談話」(一九九五年)と「小泉談話」(〇五年)を紹介する形で、「政府としての認識は、わが国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して、多大の損害と苦痛を与えたというものだ」と答弁。自らの歴史認識を示すことを避けました。
小泉談話では、村山談話で触れていた「国策を誤り、戦争への道を歩んだ」との指摘が落ちており、この点でも安倍首相の認識はあいまいなままです。
首相は教育基本法改悪法案について「今国会における本法案の成立を期す」と明言しました。