2006年10月4日(水)「しんぶん赤旗」
コラボレート業務停止命令
メーカーにまん延 偽装請負
根絶へ監督強化を
解説
コラボレートへの業務停止命令は、大手製造メーカーにまん延する偽装請負が社会問題化し、労働者のたたかいや国会で日本共産党の追及を受けるなかで、厚生労働省が行政処分に乗り出したものとして注目されます。
偽装請負で働かされる労働者には青年が多く、正規労働者の半分にも満たない低賃金で、いつ解雇されるかもしれない不安定雇用に置かれています。貧困と格差の拡大を防ぐために、偽装請負の根絶に向けた監督強化が求められています。
今回の処分は派遣会社にたいするもので、派遣先のメーカーには何の処分もありません。内容も新たな派遣を禁じるだけで期間も短いものです。
メーカーは実際には派遣会社と二人三脚で偽装請負をやっており、これを是正するにはメーカーの違法行為にも厳しい処分をおこなうべきです。
松下プラズマディスプレイでは、松下社員二百人を請負会社に出向させて規制を逃れ、光洋シーリングテクノでも請負会社と指導契約を結んだことにして偽装請負をごまかしていました。こうした脱法行為に毅然(きぜん)とした姿勢でのぞむことが求められます。
また、偽装請負で働かされている労働者を派遣法に基づいて派遣先企業が直接雇用するよう指導することが必要です。
派遣法では、派遣期限を超えると派遣先に直接雇用を申し込む義務が生じます。ところが、光洋シーリングの事件で徳島労働局は直接雇用を指導せず、「適正な請負」を求める指導に終始しました。労働者は労働組合をつくってたたかい、直接雇用の道を切り開きました。直接雇用を求めるのは当然の権利であり、切実な願いにこたえる監督指導が求められます。(深山直人)