2006年10月4日(水)「しんぶん赤旗」
文科省に再発防止要請
プール吸水口事故で遺族
井上参院議員同席
学校など公営プールの排吸水口死傷事故問題で、静岡県で発生した学校プール事故の遺族が三日、文部科学省の担当者に、子どもの身体の一部が吸水口に吸い寄せられておぼれるケースもあると、再発防止対策を要請しました。日本共産党の井上哲士参院議員が同席、「二度と犠牲者をだすことがないようにしてほしい」と対応を求めました。
要請したのは、一九九五年八月に当時小学五年生だった息子の林田靖司君をプール吸水口事故で亡くした父親の和行さん(56)。「もう十年以上もたったとは思えない。時間が止まったようで昨日のことのよう」と語る和行さんは、息子の事故後もくりかえされる排吸水口事故を調べました。
「九九年七月の東京都青梅市と山形県藤島町(現鶴岡市)の小学校でおきた事故は、ポンプの吸引力に起因する事故で、ふたの固定だけでは防ぐことができない。ふたの形状を丸く膨らんだものにするなどの形状の見直しが必要」と指摘。なぜ事故がおこるのか危険性をわかりやすく指導することなどを求めました。
文科省企画・体育課の前谷嘉一課長補佐は、吸水口死亡事故で「体が吸い込まれたものか、体が張り付いてしまいおぼれたのかまではつかんでいなかった」とのべ、来年度予算案でつくることを検討している学校災害予防のパンフレットに、林田さんの提案を反映させたいと語りました。