2006年10月5日(木)「しんぶん赤旗」
公明党が「増税戦犯」という矛盾をかかえるとは?
〈問い〉 日本共産党第2回中央委員会決定に「公明党は『増税戦犯』という矛盾をかかえています」とありますが、どういうことをさしますか?(東京・一読者)
〈答え〉 公明党は、高齢者への雪だるま式の増税・負担増を強行してきた張本人です。
老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小、所得税・住民税の定率減税の半減、高齢者の住民税非課税措置の撤廃などが、一挙に今年6月から住民税に適用されたため、悲鳴と怒りがわきおこっています。小泉内閣と自民、公明の与党が一体で推進しましたが、もともと言い出したのは、公明党です。
公明党は、2003年9月の「年金100年安心プラン」や同年衆院選のマニフェストに、年金課税の強化や定率減税の見直しを掲げました。基礎年金の国庫負担引き上げの財源案としつつ、「高額所得の方々から少し税金をいただこうという案だ」(神崎武法代表、03年10月10日)とのべています。同年暮れの04年度「与党税制改正大綱」に増税方針を書き込みました。
当時、同党政調会長としてこれを推進した北側一雄国土交通相は「公明党は、マニフェスト(政権綱領)で示した通り、所得税の定率減税と年金課税の見直しで財源を捻出してはどうかと主張しました」「この結果、『最終的に05、06年度にはこの定率減税を縮減する方針で合意』(公明新聞03年12月19日付)と、国民いじめの実績を自賛していました。
ところが、04年暮れに05年度「与党税制改正大綱」で定率減税の半減を具体的に決める段になると、突然“抵抗”してみせました。定率減税が半減された場合、「景気減速のタイミングと重なり、景気後退をもたらしかねない」との懸念が財界を含めてあがり始めていました。この公明党の急変ぶりに、片山虎之助参院自民党幹事長が、「許さない。もともと公明党が言い出した話だろう」と激怒し、結局、定率減税の半減を明記することになりました。この一部始終を「東京」(04年12月16日付)は「増税の『戦犯』にされては来夏(05年)の都議選はたたかえない」とする公明党の党略があったと指摘しています。
さらに総選挙後の05年暮れには、自民、公明両党は、定率減税を全廃することを06年度「与党税制改正大綱」で合意し、先の通常国会で強行しました。この結果、07年1月には、定率減税の全廃による所得税の再増税、6月にはまたもや住民税の増税が襲いかかることになります。05年の総選挙で自公両党は、「サラリーマン増税」はおこなわないと公約していたにもかかわらず、それをほごにしての増税決定です。
日本共産党は、庶民いじめの大増税に徹底して反対し、推進した自民、公明両党を厳しく批判してきました。来年のいっせい地方選、参院選は自民、公明両党の大増税路線に対する大きな審判の場となります。(小)〔2006・10・5(木)〕