2006年10月6日(金)「しんぶん赤旗」
安倍首相
“歴史認識判断するのは間違い”
「満州国」の評価避ける
衆院予算委員会は五日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して総括質疑に入りました。首相は、先の日本の戦争をめぐる一九九五年の村山富市首相談話について、「当然、生きている」とのべ、引き継ぐ考えを改めて示しました。しかし、日本が傀儡(かいらい)国家として「満州国」をつくったことについて問われると、「歴史の認識や分析について政治家が神のごとくに判断するのはまちがっている」とのべ、具体的事例については言及を避けました。民主党の菅直人代表代行への答弁。
菅氏は「村山談話を認めるなら、『満州国』の建国は侵略であり、まちがっていたというのが自然だ」と批判しました。
安倍首相は、祖父・岸信介元首相が東条内閣当時、商工相として太平洋戦争の開戦詔書に署名したことについては、「当時はいろいろな状況があった。結果として、その時の判断はまちがっていた」とのべました。
安倍首相は、「従軍慰安婦」問題をめぐる九三年の河野洋平官房長官談話について「私の内閣で変更するものではない」とのべました。しかし、かつて同談話を批判していたことについては「当時、いろいろな議論があった」と開き直りました。
菅氏は「首相は歴史教科書について自虐史観だと強くいってきた。一方で歴史認識を語りながら、首相になったら語らない」と批判。安倍首相は「申し上げてきたことは別にまちがっていなかった」と強弁しました。