2006年10月11日(水)「しんぶん赤旗」
北朝鮮核実験
国際社会の一致 平和的・外交的な解決
2つの原則が重要
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は十日、衆院本会議で北朝鮮の核実験抗議決議が採択されたことを受けて記者会見し、記者の質問に答えました。
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――決議に「国連憲章第七章に基づく措置」との表現が入ったことについて。
志位 決議では「措置も含め」となっており、どういう措置をとるかについて明示をしたものではないと理解している。私たちは、国際社会がどう対応するかについて、二つの原則を堅持することが大切だとする立場から、決議案の修正を求めた。
一つは、「国際社会が一致結束して対処する」という原則だ。これは事態打開にとって何よりも強いメッセージになる。国際社会が割れることなく、一致結束して対処する。このことを重視する立場を決議案に明記するべきだというのが、第一点だ。
もう一つは、「外交的・平和的な解決」だ。これは、全世界の方々が望んでいる解決の方策だと思う。この二つの原則が大事だ。
こういう修正意見をのべ、決議案の文言の結論部分に、「国際社会が結束した外交を展開し、平和的な解決を模索すべきである」と明記された。そういう点では、たいへん良かったと思う。
――制裁からさらに経済封鎖へ進んで臨検となると、米軍が日本海に入ってきて周辺事態になるのではないかとの指摘もあるが。
志位 いまいえることは、日本政府がこの二つの原則を堅持して交渉にあたり、国際社会として対応すべきだということにつきる。「国際社会が一致結束して対処する」という原則は、国際社会が割れたらまずいということだし、「平和的・外交的な解決」をめざすというのは、軍事による解決はよくないということだ。
――全会一致の国会決議をうけて、あらためて北朝鮮にたいして訴えかけたいことは。
志位 北朝鮮の今回の行為は、何よりもまず、全会一致で採択された国連安保理決議、同議長声明など国際社会の一致した意志にそむいたものだという点が非常に重大だ。さらに、みずからの国際的取り決め――六カ国協議や日朝平壌宣言にそむいているという点も重大だ。北朝鮮の行為は、許しがたいものであり、厳しく批判されるべきだ。
わが党が北朝鮮にのぞむことは、核兵器と核兵器開発計画の放棄、六カ国協議への即時・無条件の復帰ということだ。そういう道に転換することが北朝鮮の安全保障にとっても利益になるということを強くいいたい。北朝鮮は、「自衛のため」「抑止力のため」ということで核実験に踏み切ったわけだが、現実は、みずからの安全保障にとっても最も危険な道に踏み出したことになる。北朝鮮の安全保障にとって問題なのは、戦力が不足していることにあるのではない。北朝鮮には、周辺諸国とのまともな外交関係がない。国際的不法行為をおかしながら反省がない。そこに一番の問題があるわけだから、そこをただして周辺諸国とのまともな関係を築いていくことが、北朝鮮の安全保障にとっても一番の道理ある有益な道になるということを強くいいたい。