2006年10月11日(水)「しんぶん赤旗」
障害克服へ対話の糸口
韓国大統領 「靖国行かないと理解」
韓国の盧武鉉大統領は九日、安倍晋三首相とのソウルでの会談後の記者会見で、会談は日韓関係改善に向けた「対話の糸口」との認識を示しました。
盧大統領は、日韓関係の障害となってきた歴史問題について「過ぎ去ってしまう問題でなく、現在も生きている問題だ。日韓関係を未来志向で発展させるうえで、必ず解決されなければならない」と強調。「会談は、問題の結論で合意する会談というより、今後の日韓関係について包括的に方向を設定し、解決すべき問題点を提示する対話の糸口だ」と述べました。
安倍首相が靖国神社参拝問題で、明言を避けていることに対して、韓国内では強く憂慮する声があります。
大統領は、「前提条件が解決されれば対話するという方式でなく、対話を通じて、参拝しない方向に説得する外交をする」と説明しました。
大統領は、会談で、安倍首相に参拝するかどうかについて「即答を求めなかった」としながらも「(靖国神社に)行かないものと理解している」と語りました。
安倍首相が参拝すればどうするかとの記者の質問に対し、「万一、靖国神社への参拝が強行されれば、回復の糸口を見いだした日韓関係がふたたびこう着状態に陥るほかない」と述べました。
首脳会談後、安倍首相と盧大統領が個別に記者会見した点について、韓国メディアは、歴史認識の違いが露呈するのを避けるためと指摘しています。
ハンギョレ紙十日付は社説で「対話の通路が開かれたといって安心することではない」と述べ、「未来志向の関係を開くためには、正しい歴史認識の上に立たなければいけない」と強調しました。