2006年10月13日(金)「しんぶん赤旗」

北朝鮮核問題

政府と国会の対応―二つの原則の確認は重要

志位委員長会見 軍事的対応論を批判


 日本共産党の志位和夫委員長は十二日、北朝鮮の核実験問題について国会内で記者会見し、記者の質問にも答えました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=12日、国会内

 志位 私たちは、今回の北朝鮮の核実験の強行にさいして、これに厳しく抗議する声明を出し、これに対する対応として、二つの原則が大事だと強調してきた。

 一つは、国際社会が一致協力して対応すること。もう一つは、平和的・外交的な手段で問題を解決することだ。

 私たちは、この二つの原則の重要性を主張し、政府に対しても、国会決議にさいしても、この立場を主張してきた。

 衆参の予算委員会の質疑の中での、わが党の提起に対して、安倍首相も、この二つの原則において「共産党と考えが共通している」と答弁した。政府が、この二つの点を基本的に堅持して臨むという答弁だった。これは、私たちは重要だと考えている。

 国会決議においても、私たちは、この二点を盛り込むよう修正案を提起し、衆参とも「国際社会が結束した外交を展開し、平和的な解決を模索すべきである」ということが決議案の結論として明記された。

 政府の対応、国会の対応のそれぞれで、二つの原則が盛り込まれ、あるいはその基本線が確認されたことは非常に重要で、今後もこの見地に立った対応を求めていきたい。

 ――十一日に政府が北朝鮮への追加制裁措置を打ち出したが。

 志位 いま言った二つの原則に照らして考えてみると、日本政府として、独自の外交的措置をとることはありうることだと思う。

 ただ、その場合も、関係諸国、周辺諸国とよく協議、協調して行われるべきだと考えている。

 ――政府・与党内で今回の事態を「周辺事態」と認定すべきだとの声があるが。

 志位 「周辺事態」と認定するのはまったく無理な話で、暴論だ。

 私たちは「周辺事態法」そのものに反対し、その撤廃を求めているが、「周辺事態法」での「周辺事態」の規定は、“放置しておけば日本への武力攻撃がおこる”というものだ。いまの事態が「周辺事態」にあたるとは法律に照らしても、とうてい言えない。「周辺事態」とみなして軍事の対応にいくのは非常にまずい。間違っている。

 それに関連して、一部に、集団的自衛権の行使を検討、実行できるようにすることを求める声がある。今回の問題を奇貨として憲法改定に利用しようとする動きは絶対に反対だ。

 相手は核実験という許しがたい軍事的な対応をやったわけだが、それにたいして日本も軍事的な対応をもってこたえるとなれば、軍事対軍事のエスカレーションになり、事態を非常に危険なところに招く。平和的・外交的な解決のための努力をつくすべきだ。


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