2006年10月14日(土)「しんぶん赤旗」

首相

臨検支援「総合的に検討」

自民、特措法制定も


 安倍晋三首相は十三日の衆院本会議で、核実験の実施を発表した北朝鮮に対する国連安保理の制裁決議に同国船舶への臨検が盛り込まれた場合の日本の対応について「政府としては常にあらゆる状況を想定し、いかなる対応が可能かを総合的に検討する必要がある」と述べました。日本自身が臨検に参加することや臨検を実施する他国軍隊への後方支援などについて、事態の推移を見ながら検討していく考えを示したものです。自民党の石破茂元防衛庁長官の質問に答えました。

 自衛隊による臨検は「船舶検査法」で規定され、給油など米軍への後方支援は「周辺事態法」で定められています。いずれも発動にあたっては「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」(周辺事態)と認定することが必要です。

 石破氏は、日本の対応について(1)今回の事態を「周辺事態」と認定して「船舶検査法」を発動し自衛隊が臨検に参加するとともに、「周辺事態法」に基づき米軍に後方支援を行う(2)「船舶検査法」は相手船舶に対する要請・説得が中心であるため、自衛隊に強制措置の権限を持たせる特別措置法を新たに制定する―などの選択肢があると指摘し、政府に検討を求めました。

 また、「周辺事態」の認定問題については、政府がその類型の一つとして「国連安保理決議に基づく経済制裁の対象となるような場合」を挙げていたことを指摘し、「今回の場合にも相当部分が該当するのではないか」との考えを示しました。

 自民党内ではこのほか、米軍だけではなく、臨検を実施するすべての外国軍に後方支援を行えるよう特措法の制定を検討する動きもあります。


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