2006年10月14日(土)「しんぶん赤旗」

自民・民主が教育勅語を競って賛美?


 〈問い〉 教育基本法をめぐる国会論戦では自民、民主両党が戦前の帝国議会にタイムスリップしたかのような論議をしていると聞きましたが、本当ですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 衆議院の教育基本法に関する特別委員会の議事録はインターネットでみることができます。

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

 その中から一部採録すると―

 大前繁雄(自民党)「教育勅語というのは、よく封建主義、権威主義、国家主義のシンボルのように言われているんですが、よく読んでみるとそのような面はほとんどないんですね。実に自由で寛容、平等主義的で、かつ謙虚なんですね」(5月26日)

 山口壯(民主党)「戦前から戦後にかけて国体の護持という言葉があります。日本が日本であり続けることを国体の護持という。そういう意味では、民主党の案に『日本を愛する心』、これを入れたのは、まさに日本が日本であり続けること、国体の護持、こういうことにもある意味でつながっていく、長い歴史のスパン、あるいは伝統のスパンを念頭に置いた発想なわけです」(5月26日)

 大畠章宏(民主党)「お手元に教育勅語の現代訳というものを配付させていただきました。…(中略)日本が敗戦をした後、これは朗読しちゃだめだということで禁止をされましたけれども、この内容のどこが悪かったのか、これが検証をされないまま、どうも教育基本法というものの成立に至ってしまったんじゃないか。(中略)教育勅語というものの中身で何か悪かったのか、この検証がされていないところに、私はどうも日本の国の混乱があるように感じて仕方ありません」(6月2日)

 安倍晋三(官房長官=当時)「私たちの進むべき道、この(教育勅語の)口語訳された、また現代語訳されたものを見ますと、『子は親に対して孝養を尽くす』『兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合う』『夫婦は仲むつまじく温かい家庭を築き、友人は胸襟を開いて信じあえる』、大変すばらしい理念が書いてある」(6月2日)

 保利耕輔(無所属)「戦争中の教育が何か本当に悪い教育ばかりしていたんだというような印象でおられる方もいらっしゃるでしょうけれども、しかし、私の経験からいえば決して悪くはなかった。随分鍛えていただいたな、いい言葉も教えていただいたなと思うのでございます」(6月8日)

 このように、自民、民主の議員らが、たがいに「教育勅語」をほめそやし、「国体護持」をとなえるなど、戦前の帝国議会にタイムスリップしたかのような感があります。(喜)

 〔2006・10・14(土)〕


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp