2006年10月20日(金)「しんぶん赤旗」
“核武装”発言
外相の資格にかかわる
志位委員長が撤回求める
|
日本共産党の志位和夫委員長は十九日、国会内で記者会見し、自民党の中川昭一政調会長につづき、麻生太郎外相も核武装について「議論は大事」と発言したことについて記者団に問われ、「言語道断で許しがたい。国是とされてきた『非核三原則』を変える議論を意味する。国際社会から疑念、批判を引き起こすことになる」と厳しく批判しました。
志位氏は、他国が核兵器を保有したら、日本も保有を議論するという麻生外相の考え方は、際限のない核軍拡競争につながる論理だと指摘。「日本は唯一の被爆国として、核兵器廃絶を地球的規模で実現することにこそイニシアチブを発揮すべきだ。麻生氏の発言は外相の資格にかかわる問題であり、発言の撤回を強く求める」と強調しました。
また、志位氏は、麻生外相が、核武装議論の必要性に言及した中川政調会長の発言を「タイミングがいい」と支持したとの報道にふれ、「政府・与党の重要人物の二人が、核保有議論について発言をするのは偶然ではない。安倍内閣は、本音では核保有を選択肢としているのではないかとの批判や懸念を呼ぶことになる。被爆国が核兵器を持つことは絶対にあってはならない」とのべました。
その上で志位氏は、北朝鮮の核実験問題に関連した一連の“核武装”発言や、国連安保理決議を根拠にした「周辺事態法」の発動の検討について、「日本の平和にとって非常に危険だ。この機に乗じて、軍事対応強化論をはじめるのは許されない」と批判。国際社会が一致結束して平和的・外交的解決をはかるとした国連安保理決議にもまったく反するとのべ、必要に応じて野党間でも連携し、予算委員会など国会の場で重要な問題として追及していく考えを示しました。