2006年10月22日(日)「しんぶん赤旗」
治安権限 米軍に戻す
イラク情勢悪化で国防長官
早期移譲の方針破たん
【ワシントン=鎌塚由美】イラクでの米兵死者の急増など情勢悪化で、ブッシュ米政権は二十日までに、イラクへの早期権限移譲を決めた方針の破たんを認めざるをえなくなり、イラク政策の行き詰まりが改めて浮き彫りになっています。
ラムズフェルド国防長官は二十日、米韓国防相会談後の記者会見でイラク情勢への対応を問われ、「イラク当局に治安維持権限の移譲を進めてきたが、うまくいっていないところは取り戻さなければならない」と語りました。さらに、米軍への権限返還は「今後もありうる」と述べました。
ブッシュ政権は、イラク治安部隊に権限を移譲し、米軍の撤退を目指すとしてきました。十一月七日の中間選挙を前にイラク撤兵論議が高まるなか、その見通しがさらに遠のくことになります。
ブッシュ大統領は二十日、ホワイトハウスでアビザイド中央軍司令官と協議しました。ホワイトハウス側は「通常の協議」だとしていますが、米メディアはイラク情勢の悪化を受けた対応だと伝えています。
同大統領は同日の共和党上院議員団の会合で「イラクにとどまり勝利する」と、駐留継続の方針を繰り返しました。
イラクでは十月に入って七十人余りの米兵が死亡。二〇〇三年三月の戦争開始後で最大の米兵犠牲者が出る月となる見通しが強まっています。開戦以来の米兵死者は二千八百人に迫る勢いです。英軍が八月にイラク当局に治安権限を移譲した南部アマラなどでも戦闘が激化しています。
二十一日にはチェイニー副大統領、ラムズフェルド長官、ハドリー大統領補佐官(安全保障担当)らが現地司令官らと協議する予定です。