2006年10月23日(月)「しんぶん赤旗」
対イラク
“撤退せず”に固執
米政権 戦術調整も表明
【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ大統領は二十一日、ホワイトハウスで約一時間半にわたりイラク戦争担当の軍幹部と協議しました。中央軍のアビザイド司令官、イラク駐留米軍のケーシー司令官のほか、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ハドリー大統領補佐官(安全保障担当)らが出席しました。詳しい内容はまだ発表されていません。
イラク情勢に関して同日のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、ブッシュ政権はイラク政府が宗派対立に対処し治安安定のより大きな責任を果たすよう、行程表を作成中だと報じました。行程表は年末までにマリキ首相に提示される予定ですが、米軍撤退の時期は言及しないといいます。
複数の米政府高官は、イラクがこの目標達成に失敗した場合などには「駐留米軍の戦略変更を検討する」と同紙に語っています。またブッシュ大統領は同日、土曜恒例のラジオ演説でイラクでの混乱の激化にふれ、「任務完了前に米軍は撤退しない」と強調しました。
米メディアは連日、イラクでの米兵死者数の増加などを大きく取り上げています。同大統領は、イラクでの「勝利」の目標は変わらず、そのために「戦術を調整」していると語りましたが、撤退論については「同意しない」と強調しました。