2006年10月25日(水)「しんぶん赤旗」
石綿被害者が提訴
経営引き継ぎ会社相手
高松地裁
職場でアスベスト(石綿)による健康被害を受けたのは会社が安全義務を怠ったからなどとして、旧日本エタニットパイプ高松工場(現在閉鎖)の元従業員、その家族五十七人は二十四日、経営を引き継いだリゾートソリューション(東京都新宿区)を相手に、損害賠償と謝罪を求める訴えを高松地裁に起こしました。
訴えによると、元従業員は一九三〇年―六〇年代を中心に、同工場で石綿を使う仕事につき、じん肺防止対策のない環境下で石綿や粉じんを吸い、石綿肺や気管支炎を発症しました。
原告団長の和田志津夫氏は「アスベストで多くの先輩や同僚がなくなった。すべてのアスベスト患者が救済されるためにも会社に謝罪と補償をさせたい」と話しました。
小野寺利孝弁護団長は、原告団とともに会社側と三度にわたり話し合いを持ったことを報告。「会社側は人ごとのようだった。なすべき事もなさず、予見できたにもかかわらず安全を軽視した。企業は事実を認めるべきだ。被害者がどのような状況と環境で働いてきたか、事実で勝負したい」と強く訴えました。
建交労(全日本建設交運一般労働組合)の沢田康夫・職業病部会副部会長、日本共産党の近石みち子参院香川選挙区候補、県労連の高松嘉弘副議長らが、ともにたたかう決意を表明しました。
今回の提訴に関し、リゾートソリューションは「訴状を見て対応を検討したい」と話しています。