2006年10月26日(木)「しんぶん赤旗」

アスベスト特別遺族給付金

「不支給決定」を覆す

尼崎の会支援活動


 アスベストにさらされる業務に従事していて九年前に肺がんで亡くなった男性の遺族に対する、特別遺族給付金の不支給決定が、遺族から相談を受けた「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」(尼崎の会)の支援活動によって覆され、支給を勝ち取ったことが、二十五日までに明らかになりました。

 尼崎の会によると、給付金を申請していたのは、関西スレートに勤務していた夫を亡くしたAさん。Aさんの夫は、石綿製品の切断などの仕事をしていました。Aさんの場合、労災保険法による遺族補償給付を受ける権利は時効で消滅していました。そのため、「石綿による健康被害の救済に関する法律」(石綿救済法、アスベスト新法)施行直後の今年四月、同法による特別遺族給付金支給を尼崎労働基準監督署に申請しましたが、五月二日付で不支給決定通知が送られてきました。

 相談を受けた尼崎の会は、Aさんの不服審査請求を支援し、反証に必要なCTフィルムを入手し、尼崎医療生協の船越正信医師の援助も受け、不支給決定の取り消しを求めてきました。兵庫労働者災害補償保険審査官から「特別遺族給付金を支給しない旨の処分については、これを取り消す」との決定書が九月一日付で出されました。

 決定書は、今回入手したAさんの夫のCTフィルムから、胸膜プラークの存在と肺繊維化を認め、Aさんの夫の死亡が業務上の事由によるものと認定しました。

 Aさんは、「もうあきらめかけていましたが、最後まで資料集めや請求手続きの相談にのってくれた『尼崎の会』のおかげで認定されました。本当にうれしい」と話しています。


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