2006年10月28日(土)「しんぶん赤旗」
滋賀・栗東市長選の経過は?
〈問い〉 新幹線新駅建設問題で滋賀県栗東市長選挙(22日投票)に注目していました。3人の候補者が争い、41%の得票で「推進」の現市長が当選しましたが、新駅建設ストップのために他の2人が協力するなどできなかったのでしょうか。(京都・一読者)
〈答え〉 栗東市長選挙は、新幹線新駅建設に巨費を投じ、福祉、教育を削るかどうかが問われました。新駅建設は見通しのないもので、駅舎建設費は240億円にものぼります。
日本共産党は、広範な市民・団体が参加する「新しい栗東市政をつくる会」から立候補した杉田聡司氏(元滋賀県労働組合総連合事務局長)を推薦してたたかいました。杉田氏は、「新幹線新駅は中止。くらし、福祉をまもる市政を」と訴えました。
栗東市では以前から、「新駅建設の中止」を願う広範な市民と日本共産党が力をあわせて粘り強く運動をすすめ、世論を動かしてきました。自民党、民主党などは、一貫して新駅建設推進の立場でした。
杉田氏の立候補表明のあとに、民主党系市議が市長選に立候補することを表明し、民主党と社民党が推薦しました。民主党系市議は市長選にあたって新駅建設を「凍結」するとしましたが、それまで新駅建設推進の立場で活動してきており、「凍結」も「あくまで新駅設置が前提」だが工事費などの見直しのために「立ち止まって考える」という趣旨であるとのべました。
新駅建設について、杉田氏と民主党系市議の態度には違いがありました。しかし、新駅建設にストップをかけるためにと「新しい栗東市政をつくる会」の代表は、民主党系市議に共同を申し入れましたが、民主党系市議は「推進をおろすことはできない」という態度でした。こうした経過のなかで栗東市長選挙がたたかわれました。
新駅建設反対の世論が広がるもとで、民主党系市議は選挙直前になって「凍結とは、中止を含む再検討」などと言い方を変えました。日本共産党は、投票者の6割が「新駅建設推進」に反対したという市長選挙結果をふまえ、ひきつづき広範な市民とともに、また嘉田滋賀県知事とも力をあわせて「新駅建設」を許さないために力をつくすものです。(奥)
〔2006・10・28(土)〕