2006年10月29日(日)「しんぶん赤旗」

派遣・請負の違法急増

5年で21倍超

厚労省の調査 6割で違反


 「派遣」や「請負」など非正規雇用の労働者を使った違法労働が、大企業の製造現場を中心に広がっています。二〇〇五年度に、各都道府県にある労働局は、調査した労働者派遣事業と請負事業所あわせて六千六十八件のうち、三千六百二十件で是正指導しました。法違反率は59・65%にのぼることが、厚生労働省職業安定局需給調整事業課のまとめでわかりました。


 違法な労働者派遣や業務請負を行った事業所数への是正指導件数は、二〇〇一年度の百六十六件にくらべ二十一・八倍と急増しています。

 請負事業者だけで見ると八百七十九件を調査し是正指導は六百十六件。法違反率は70%です。この多くが「偽装請負」だとみられます。

 〇三年度は三千九百八十五件の調査のうち是正指導は千二件で法違反率は25・1%、〇四年度は四千五百六十三件の調査のうち是正指導は二千三百三十七件で法違反率は51・2%です。年々増加しています。

 「偽装請負」など、労働者派遣や業務請負での違法行為は、製造業で労働者派遣ができるようになった〇四年度から急増しています。いまや若者の半分を超えるまでに急増した非正規雇用の多くが違法状態にあるというのは、日本の社会経済の前途に暗いかげを落とす大問題です。

グラフ

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