2006年11月1日(水)「しんぶん赤旗」
大学合格数競わせる
未履修問題の背景追及
衆院特委で高橋議員
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高校の必修科目の未履修問題について、日本共産党の高橋千鶴子議員は三十一日の衆院教育基本法特別委員会で教育行政のあり方をただしました。高橋氏は問題の背景に政府・教育委員会が数値目標で受験競争をあおってきたことがあると指摘し、「行き過ぎた競争は考え直すべきだ」と批判しました。
高橋氏は未履修のある高校の99%が、教育委員会に虚偽の報告をしていたことを示し、「これほど全体的にやられていたということは構造的な問題だ」と指摘。兵庫、熊本など未履修問題が過去にもあったことにふれ「こうした事件が教訓になっていないならば、文科省の責任ではないか」と追及しました。
伊吹文明文科相は「先生のおしかりは甘受しなければならない」と答弁。文科省の銭谷真美初等中等教育局長は「(二〇〇三年の)学校週五日制で(教育課程が)窮屈になったのが原因という見方があるが、同時に必修単位を減らしており、そのことは直接にはあたらない」と弁明しました。
高橋氏は文科省が近年、学校に数値目標を導入・奨励している問題を指摘。広島県教育委員会が公立高校に「広島大学の合格者数二十名以上」などの合格者数の目標をもたせて、競争させている実例を示しました。
伊吹文科相は「高校教育が予備校化しているのはゆゆしき事態だ」と認めつつ「目標をつくって競争しなければ効率化や努力は生じない」と数値目標による競争に固執しました。