2006年11月1日(水)「しんぶん赤旗」
政府は軍事的議論突出
CS放送で笠井議員
「周辺」法適用論批判
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日本共産党の笠井亮衆院議員は三十一日放映のCS放送・朝日ニュースターの番組「各党はいま」に出演し、北朝鮮の核実験問題などについて、本田優・朝日新聞編集委員のインタビューに答えました。
「北朝鮮の核実験問題の目標をどこに置くのか。核兵器の阻止か、体制の崩壊か」との問いに笠井氏は、「いちばん大事なのは、国連安保理決議が明確にいっている(1)さらなる核実験、ミサイル発射の停止(2)六カ国協議への復帰(3)核兵器と核兵器計画の放棄―これを北朝鮮に受け入れさせることです。国連加盟国が一致してこの方向で、非軍事で平和的・外交的に解決していくことです」と指摘。「体制をどうするのかは北朝鮮の国民自身が決めることで、国際社会が押しつけるものではない」とのべました。
北朝鮮による第二、第三の核実験が再開された場合の対応について笠井氏は、「国連安保理決議のなかでいっているように、再度協議して国際社会が一致して話し合い、対応していく。あくまで国際社会が足並みそろえてやることが大事」だと強調しました。
政府・自民党の一部に周辺事態法発動などの主張が依然としてあることについて問われ、笠井氏は、国際的にみても突出した軍事対応の議論だと指摘しました。
この中で笠井氏は、ライス米国務長官がインタビューで、北朝鮮核実験への対応はキューバ危機のように全面封鎖とか公海上で軒並み北朝鮮籍船をだ捕するようなことを考えていないとのべていること、ボルトン米国連大使も安保理の議論の中で、貨物検査のほとんどは港湾でやるといっていることを紹介。「それを、すぐに『周辺事態』で公海上で米軍が検査する、向こうが撃ってきたらどうする、といった話をどんどんすすめている。“緊張を激化させる可能性のあるいかなる行動も慎む”とした安保理決議一三項に反する議論です。周辺事態法を発動したら、検査だけにとどまらない軍事行動を米軍と一体にやるわけで、そういう形は最悪の方向だ」と警告しました。