2006年11月1日(水)「しんぶん赤旗」
NHK命令放送
国策放送 許されない
吉川議員 総務省の「判断」批判
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参議院総務委員会で三十一日、日本共産党の吉川春子議員は、菅義偉総務相がNHKの短波ラジオ国際放送で北朝鮮による拉致問題を重点的に扱うよう「命令」する意向を表明した問題を取り上げました。
吉川議員は、戦時下のNHKが国策宣伝機関としての役割を果たし、海外放送も戦争の目的遂行の一部門だった歴史をあげ、現在の命令放送と戦前の海外放送の違いは「憲法二一条の表現の自由に基づいて、放送番組の編集の自由が保障されているということだ」と述べました。
NHKが総務省に提出している国際放送の週間番組表について、吉川議員は「どの番組が命令放送にあたるのか」と質問。石村英二郎NHK理事は「自主放送と命令放送の線引きはない。報道機関として自主自律を貫いていると自信を持っている」と語りました。総務省は「命令放送に相当する放送番組」として六番組をあげました。見解の違いがあったことから、吉川議員は「総務省がこれが命令放送だと判断するのは、番組編集の自由を侵害するのではないか」と詰め寄りました。
吉川議員は、総務相が命令に従っていないと判断した場合、どう対応するのかとただすと、菅総務相は「罰則はありません」と答弁しました。
吉川議員は「NHKが国策放送に加担していると国際的にみられたら、信頼を失うことにもなる」と強調しました。