2006年11月3日(金)「しんぶん赤旗」
国際比でも医師不足
医学部定員増など抜本策迫る
参院厚労委 小池議員
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日本共産党の小池晃議員は二日、参院厚生労働委員会で、社会問題となっている医師不足について質問しました。国際的にみても日本の医師数が少ないことなどを示し、医学部の定員増などで抜本的に医師の数を増やすよう迫りました。
柳沢伯夫厚労相は「マクロ的な数字自体に過大な問題があるとは思わない」と述べ、“医師は基本的には足りている”との認識を繰り返し示しました。小池氏は、政府が一九八〇年代以降、医学部の定員を削減するなど医師の養成を抑制し続けた結果、OECD(経済協力開発機構)の平均と日本の医師数の格差が広がり続けていることを指摘(グラフ)。「医師を増やして医療の質を上げる努力をしている世界の流れに比べて、日本は大きく立ち遅れている」とただしました。
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柳沢厚労相が「ただちに医師が不足して国民の健康や寿命に影響している状況ではない」などと答弁したことにたいし、小池氏は「現場の深刻な状況をみていない」と批判しました。
小池氏は、医師の「地域的な偏在」が問題だとする厚労省に対し「医師が十分な地域はあるのか」と質問しました。松谷有希雄医政局長は「十分かどうかは簡単には申し上げられない」と答弁に窮し、国際平均と比べれば「わが国全体で少ない」と認めざるをえませんでした。
小池氏は「社会保障に対する国の財政支出を抑えてきたことによる深刻な矛盾のあらわれであり、この路線自体を転換するべきだ」と強調しました。