2006年11月8日(水)「しんぶん赤旗」
放射能検出の原潜
再入港を外相容認
緒方議員が批判
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麻生太郎外相は七日の参院外交防衛委員会で、米軍横須賀基地からの出港時(九月)に、艦尾付近で採取した海水から放射性物質が検出された米原子力潜水艦ホノルルの再入港について、「米原子力艦船の運用を見直す考えはない」と述べ、容認する考えを示しました。日本共産党の緒方靖夫議員は、米国いいなりに安全性を強調する日本政府の姿勢を批判し、「アメリカが安全といえば、安全では済まされない」と批判しました。
文部科学省は、検出された放射能について「原子力潜水艦由来である可能性は否定できない」としつつ、「ホノルル由来と断定はできない」とした調査結果を発表しています(十月五日)。
緒方氏は、この調査結果が、(1)核実験の影響とは考えられない(2)放射性物質を取り扱う横須賀市内の事業者の影響も考えられない―と述べていることを示し、「消去法でいけば、ホノルル以外に考えられない」と指摘。文科省は、米側から原子炉の構造や部品の材質、排水機構の詳細などに関するデータの提供を受けて検証したのかと追及しました。
文科省の袴着実原子力安全監は「具体的なデータについて提供は受けていない」と述べました。
麻生外相は、米海軍が意図的・不慮の事故による放射性物質の排出はなかったと説明していることなどを挙げ、「これ以上、調査を継続することは考えていない」と答弁しました。緒方氏は、日本政府の姿勢は、米軍の説明をうのみにし、米原潜についての独自調査も行っていないものだと批判。日本として独自の科学的な検証を行うべきだと求めました。