2006年11月8日(水)「しんぶん赤旗」
イトウ生息調査実施へ
政府 紙参院議員に答弁書
政府は七日、陸上自衛隊矢臼別演習場内の風蓮川水系で絶滅危惧(きぐ)種イトウの生息調査を来春実施する考えを答弁書で明らかにしました。日本共産党の紙智子参院議員が質問主意書で早急な調査実施を求めていたものです。
サケ科魚類のイトウは本州ではすでに絶滅。道東、道北の一部河川だけに生息しており、国際自然保護連合はもっとも絶滅が危惧される1A類に登録しています。今年、専門家によって演習場内の風蓮川水系のダム下流でイトウの生息・ふ化が確認され、河川全体の環境保全のため風蓮川水系の既設ダム十四基、建設中二基、計画一基について抜本的見直しを求める声が高まっています。
答弁書は演習による土砂流出対策として、同演習場内別寒辺牛川水系土砂流出対策等検討委員会が提言した土砂発生源対策を踏まえた対応をとることも明らかにしていますが、ダム撤去、第三者機関設置については現時点で考えのないことも示しました。