2006年11月15日(水)「しんぶん赤旗」

「やらせ」文科省ぐるみ

幹部チーム関与か

教育改革フォーラムでも

石井議員質問


 文部科学省の「教育改革広報・広聴プロジェクトチーム」が組織的に「やらせ質問」をさせていたのではないか―十四日の衆院教育基本法特別委員会で、日本共産党の石井郁子議員は、タウンミーティングなどの「やらせ質問」で新たな疑惑を指摘、政府を追及しました。


写真

(写真)質問する石井議員=14日

文科相、調査を指示

 伊吹文明文部科学相は「プロジェクトチームの中でだれが(やらせを)そうしろといったのか、広報室長が独断でやったのか。しっかり調べて答弁しないといけない」として文科省に調査を指示していると答えました。

 「教育改革広報・広聴プロジェクトチーム」は二〇〇五年一月、文科相のもとに発足し、大臣官房審議官を総括責任者に、幹部職員十一人で構成。当時の中山成彬文科相が記者会見で発表しているものです。

 石井氏は「ここが中心となって『やらせ質問』を行ったのではないか。だとしたら文科省あげての『やらせ質問』ではないか。文科省に教育基本法改定案という憲法に次ぐ法案を提出する資格はない」と厳しく批判。同委員会の審議中に調査結果を報告するよう強く求めました。

 また、石井氏はタウンミーティング以外にも「やらせ質問」の疑いがあることを明らかにしました。石井氏が指摘したのは、文科省主催の教育改革フォーラム。同フォーラムは、〇三年に山口、熊本、新潟、北海道、愛知、東京、石川、香川の八カ所で開き、〇六年は栃木、岡山の二カ所で実施しました。

 石井氏は参加者の発言要旨(別項)をとりあげ、「タウンミーティングでの『やらせ質問』とほぼ一致している。しかも違う会場で同じ趣旨の発言が繰り返されている」と指摘しました。

 田中壮一郎生涯学習政策局局長は「当時の担当者に確認したが(やらせは)なかった」と否定。石井氏は「重大な疑惑を持たざるを得ない」として調査を求めました。


そっくり

教育フォーラムでの発言

 ●03年5月25日 新潟会場 国民一人一人が家庭教育の重要性、しっかりとした家庭教育を行うことを自覚するためにも、その根本法である教育基本法に盛り込むことが大事である。

 ●03年6月1日 北海道会場 国民全員が、教育の基本は家庭にあることを認識するために、教育基本法にその理念を盛り込んでほしい。

文科省作成の質問項目案

 ●06年9月2日 青森タウンミーティング 教育の原点はやはり家庭教育だと思います。(中略)新しい教育基本法に「家庭教育」の規定が追加されることは本当に大事なことだと思います。


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