2006年11月20日(月)「しんぶん赤旗」
青年の就職難・偽装請負 解決
声上げて一歩
直接雇用勝ち取った経験に拍手
各地で集会
京都
雇用問題で青年があきらめないで声を上げる「円山青年一揆」(実行委員会主催)が十九日、京都市東山区の円山音楽堂で開かれ六百人が参加しました。一揆は昨年六月に続いて二回目です。
雨のなか三時間にわたる集会では、看護師や建築労働者、学生ら十四のグループや個人が、職場の劣悪な雇用実態や就職難、高学費など青年の未来と人間らしい生活が奪われている現実や、組合員を直接雇用せよとのたたかいを報告する「魂のリレートーク」を繰り広げ、発言のたびに共感と激励、決意を込めた大きな拍手がわきました。
トヨタ系自動車部品メーカー光洋シーリングテクノで偽装請負を告発し直接雇用を勝ち取ったJMIU(全日本金属情報機器労働組合)徳島地域分会の仲村早途さん(35)が「辞めようと思っていたが、クビになる覚悟で組合をつくり声をあげた。請負や派遣会社を利用する企業も悪いが、黙って見てきた国や政治も悪い」と発言。元「ザ・ニュースペーパー」の松崎菊也さんが講演し、圧力に屈せず政治風刺を続ける思いを語り、勇気を出して立ちあがろうと激励しました。
怒りと願いをジェット風船にこめて全員で飛ばし、「『自分のせい』だとあきらめる必要はありません」「自分や周りの青年の一つ一つの『だまってられへん』怒りに耳を傾けあい、大きな力にしてもう一歩を進めよう」とのアピールを採択。雨のなか大通りを「求ム。人間らしい仕事」などと大きく書いたムシロ旗を掲げてパレードしました。
参加した保育士の女性(26)=京都市左京区=は「今年から正職になれました。子どもに寄り添った保育をしようとすれば本当に保育士が少ない。政治の責任は大きいと思う。転職を繰り返さざるを得ない友達もいるので、きょうもらった勇気を話していきたい」と話していました。
兵庫
「青年雇用大集会in兵庫」が十九日、神戸市長田区で開かれ、青年ら六十人が参加しました。
実行委員会の青年たちが、楽しく労働基準法を学べる寸劇を披露。四人の青年労働者が実態を告発しました。とび職人の男性(27)は「朝六時に家を出て、帰宅が深夜になることも。子どもの寝顔しか見られません」と語り、食品会社で深夜勤務をこなす男性(29)は「長時間労働は当たり前。みんないつ解雇されるか不安がある。人間らしく働きたい」と訴えました。
光洋シーリングテクノの矢部浩史さんが駆けつけ、違法な偽装請負を告発し、直接雇用を勝ち取った経験を報告。
日本共産党の山下よしき元参院議員は、青年の雇用問題打開へ、この間のたたかいの成果を社会全体のものにし、政治を根本から変えることをよびかけました。
堀内照文参院兵庫選挙区候補が、青年の権利を守り格差社会をただす党県委員会の提言を発表し、「青年の未来を切り開くためにがんばり抜きます」と力強く決意表明。毛利倫県議が、青年雇用アンケートの中間集計結果を発表しました。
参加した会社員の男性(24)は「たたかいの経験を聞いて力がわいてきました。労働組合のない職場なのでがんばりたい」と語っていました。