2006年11月20日(月)「しんぶん赤旗」
韓国軍のイラク撤退
与党議員90人が要求
世論調査でも6割賛成
韓国の与党・開かれたウリ党の任(イム)ジョンソク議員は十七日、与党国会議員百四十人のうち九十人が、イラクに駐留する韓国軍部隊の撤退を求める文書に署名したと明らかにしました。韓国は現在、イラク北部のアルビルに約二千三百人の部隊を派兵中で、期限は十二月末までです。駐留延長には国会の承認が必要です。
署名文書は、与党が政府に対し撤兵計画書を提出するよう促すことを求めるもの。中心となっている任議員は韓国紙・京郷新聞に「これまで撤兵に慎重だった議員や保守的な議員も今回の署名には多く賛成している」と述べ、党の方針として採択されることに楽観的な見通しを語りました。
また、イラク撤兵を求める国会決議案を提出する動きも進んでおり、これまでにウリ党のほか野党のハンナラ党、民主党、民主労働党から二十人以上が議案提出者に名を連ねています。
韓国のCBSラジオが十四日に行った世論調査によると、国民の60・8%が撤兵に賛成、反対は25・6%にすぎませんでした。
大統領から次期国防相に指名された金章洙・前陸軍参謀総長は十六日、国会の人事公聴会で「まだ政府の政策は決まっていない」としながら、「来年にいくらでも削減できる」と言明しました。
ソウル新聞は十五日付の社説で、米中間選挙で共和党が大敗し、ブッシュ政権もイラク政策の見直しを進めていることや、派兵国が相次いで撤兵していると指摘し、国内外の状況からみて撤兵すべきだと主張しています。韓国日報の十二日付社説は「戦争を主導する米国の戦争遂行の意思が根本から揺らいでいる状況では、われわれが独自に撤兵計画の作成を急ぐのが当然だ」としています。