2006年11月21日(火)「しんぶん赤旗」
私立中・高
学費滞納は高水準
全国私教連 経済格差が教育奪う
「家計急変」「自営業不振」「リストラ」――。私立高校生・中学生の学費滞納、中途退学の理由です。全国私立学校教職員組合連合(全国私教連、谷正比呂委員長)は二十日までに、「学費滞納調査」の結果をまとめました。経済的事情によって教育を奪われる子どもたちの姿が浮かび上がりました。
私立高校生・中学生の学費滞納状況と、経済的理由での中途退学者について、九月末時点で調査。二十三都道府県、高校二百校(十六万八千六百六十六人)と中学七十八校(二万八千四十九人)が回答しました。
三カ月以上の滞納者は、高校で二千九百四十七人(1・75%、一校あたり十四・七四人)にもなりました。昨年を上回って、一九九九年の調査開始以来、二番目の高水準です。中学でも百三十六人(0・48%、一校あたり一・七四人)でした。また、経済的理由による中途退学者は、高校で八十一人、中学で四人となっています。
退学・滞納の理由には、自営業不振やリストラなどがあがり、「依然として景気回復が全く感じられない。奨学金が生活費になっている例も珍しくない」(岩手)、「子どもにアルバイトをさせ、それを生活費にしている」(東京)との報告もありました。
全国私教連はこうした結果について、「経済格差が教育格差を拡大」とし、「低所得の人々には生きにくい社会になっている。私学といえども公教育なのだから、全額公費で無償教育を保障し、教育を受ける権利の保障をすべき」と求めています。