2006年11月22日(水)「しんぶん赤旗」
イラク撤退期限設定を
インドネシア大統領 米に要求
インドネシアのユドヨノ大統領は二十日、同国を訪問したブッシュ米大統領との会談で、イラクからの米軍撤退の日程を設定するよう求めました。ブッシュ大統領の訪問は、ベトナムでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席など東南アジア歴訪を締めくくるもの。世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシアではイラク戦争反対の集会やデモが連日開かれています。(宮崎清明)
ユドヨノ大統領は会談後の共同記者会見で、イラク問題解決には「以下のように展開することを考えねばならない」として、(1)イラク国民の和解の達成とあわせ、現在の統一政府が権能を付与され、イラクが自らの問題を自分たちの手で解決できるようにする(2)イラクからの米軍と他の連合国軍の撤退についての適切なタイムテーブル設定と並行して、他国も関与する新たな治安部隊を設置する(3)国際社会が紛争後のイラクの再建と復興をどのように共同でおこなうかも無視できない―と提起しました。
ユドヨノ氏はまた、これらの項目を同時に進める必要があると強調しました。
インドネシアは人口約二億三千万人の約九割がイスラム教徒。イラクやパレスチナ問題での米国の中東政策への反発が最も強い国の一つです。
首都ジャカルタはじめ全国十都市以上では二十日、ブッシュ大統領訪問への抗議集会が開かれ、インドネシアのユドヨノ大統領との会談が開かれたボゴールでも数千人がデモ行進しました。会談会場のボゴール宮殿とその周辺には厳戒態勢が敷かれました。
ブッシュ大統領のインドネシア訪問は二〇〇三年十月に続き二度目ですが、今回も前回と同じく一泊もせず、滞在時間はわずか七時間。滞在中もほとんどボゴール宮殿にこもりきりでした。