2006年11月23日(木)「しんぶん赤旗」

イラク人死者 米軍侵攻後 最多

10月3709人に

国連が発表


 【カイロ=松本眞志】国連は二十一日、米軍のイラク侵攻以後、今年十月のイラク人死者数がこれまでの最高を記録したと発表しました。イラク保健省のデータをもとにしたものです。

 二カ月に一度公表される人権問題に関する報告によると、イラク人死者は九月の三千三百四十五人から、十月はさらに増えて三千七百九人となりました。これまでは今年六月の三千五百九十人が最高でした。

 地域的には首都バグダッドがもっとも多く、九、十月の二カ月間の合計のうち五千人を数えます。死体の多くに拷問の跡がみられるとしています。

 報告はまた、二月にサマラのイスラム教シーア派の聖廟(せいびょう)が破壊されて以降、治安が著しく悪化。四十一万八千三百九十二人が家を離れ、これまでに二百万人以上が避難民化したと指摘し、「前代未聞の人口移動」だと訴えています。さらに、毎月十万人がシリアやヨルダンに亡命し、米軍侵攻後、百六十万人を数えると述べています。

 報告は、宗派間の暴力が主要な原因だとしながら、武装グループや犯罪者グループによる攻撃がこれに輪をかけているとしています。


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