2006年11月28日(火)「しんぶん赤旗」
「君が代」指導で内心に踏み込む
学習指導要領改定を検討
参院教基特で井上議員追及 「憲法違反の教育目標」
教育基本法改悪と関連して、文部科学省内でいますすめている学習指導要領改定作業で、小学校の音楽の目標に「『君が代』の美しさや自国を尊重するこころをもつ」(別項)をあげていることが明らかになりました。二十七日の参院教育基本法特別委員会で日本共産党の井上哲士議員が指摘しました。
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文部科学省は〇五年のいわゆる「義務教育の構造改革」によって「到達目標を明確化する」ことを打ち出し、それに伴う学習指導要領の見直し作業を進めています。その論点整理のなかで「君が代」を全学年で指導するとしか書いていない現行指導要領よりも踏み込み、小学校の音楽の目標として初めて「君が代」と子どもの内心を結びつけようとしています。
井上氏は「戦前の学校で『君が代』をうたい『教育勅語』を暗唱させて国家への忠誠心を養ったことと重なる」と指摘し、憲法が保障する子どもの思想・良心・内心の自由を侵害する改悪法案の撤回を求めました。
伊吹文明文部科学相は「これは審議の途中の資料。最終的に文部科学大臣が告示をするときに判断する」と答えましたが、井上氏は「憲法一九条に定めた思想・信条の自由を侵すような、特定の心を持つことが教育の目標になっていいのか」と重ねて追及しました。
野中答弁は維持
また井上氏は一九九九年の「国旗・国歌法」の審議で野中広務官房長官がのべた「式典等において、起立する自由もあれば起立しない自由もある」「斉唱する自由もあれば斉唱しない自由もあろう」という答弁を維持するのかと質問。塩崎恭久官房長官は「その通りです」と認めました。
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