2006年11月28日(火)「しんぶん赤旗」
文科相「いじめ評価変える」発言
破たん自ら認めるもの
CS放送で志位氏
日本共産党の志位和夫委員長は二十七日、CS放送・朝日ニュースターの番組「各党はいま」の収録で、教育基本法改悪法案をめぐり伊吹文明文部科学相が数値目標による「いじめ対策」に問題があったと認めた(二十六日)ことについて「法案の一つの破たんをみずから認めるものだ」と指摘しました。その上で「憲法に準じる大事な法律で、たくさんの審議すべき問題点が残っている時に、残りわずかの会期末で(改悪法案を)成立させるのは許されないし、会期を延長してやるのも絶対に認めるわけにはいかない」と強調しました。
志位氏は、改悪法案に関するこの間の国会審議を通じて「どの問題でも、ずっと向こう(政府・与党側)の論理破たんが進んでいる」と指摘。その一例として、伊吹文科相が二十六日のNHKの討論番組で行った発言を挙げました。
伊吹氏は同番組で、いじめ問題について「文部科学省の指導にも、若干問題があったと反省している」とし、「いじめが『ゼロ』である学校が『良い学校』だという打ち出し方をすると、みんな良くみてもらいたいと思い、教師はそれ(いじめ)を隠すし、教育委員会は報告しないという現象が起こってくる」「教育行政の(いじめの)評価のあり方を変えないといけない」と述べました。
この問題は、志位氏が十月三十日の衆院教育基本法特別委員会で取り上げていたもの。志位氏は、いじめが隠されてしまう原因の一つとして、いじめがあると報告すると学校や教師の評価が下がってしまう評価システムがあることや、改悪法案が強行されれば、「いじめを五年間で半減」という数値目標の入った「教育振興基本計画」が実施され、いじめ隠しがいっそうひどくなることを指摘していました。
志位氏は、伊吹氏の今回の発言はこの指摘を認めたものだと述べ、「文科相が(いじめの)評価のあり方を変えると言うなら、国が上からなんでも権力的に介入するような法律(改悪法案)をそのまま通していいのかという矛盾が出てくる」と強調しました。
その上で「国民が本当に解決を求めているいろいろな教育の矛盾、心配、悩みと教育基本法改定との関係を、一つひとつ議論するというのは始まったところだ」と述べ、「徹底審議で廃案に追い込む」と決意を表明しました。