2006年11月28日(火)「しんぶん赤旗」
アフガン・イラク派遣女性米兵
シングルマザー 1万6000人
専門家 「空前の数」
米 紙
【ワシントン=山崎伸治】二〇〇一年十月のアフガニスタン攻撃と〇三年三月のイラク戦争開始以来、イラク、アフガニスタンに派兵された十五万五千人の女性米兵のうち、約一割に当たる一万六千人がシングルマザーだったことがわかりました。二十四日付の米紙ワシントン・ポストが米国防総省の集計として報じました。
同紙は「軍事専門家も空前の数だと指摘している」とし、「こうした女性がどう対処し、その子どもがどううまく乗り越えているかについて、ほとんど注目されてこなかった」と指摘。家族生活が専門のヒューストン大学のスティーブン・ミンツ教授は、同紙に「おかあさんと子どもが受けねばならない最も厳しいことの一つ。電話や電子メールで子どもを抱きしめることはできない」と問題点を指摘しています。
派兵に際しては、シングルマザーあるいはシングルファーザーであることは考慮されず、「兵士は兵士でしかない、という考え方だ」と言います。
同紙はシングルマザーで九歳を筆頭に三人の子どもがいるメリーランド州兵のリアナ・ニシムラ軍曹(29)の体験を紹介しています。
離婚し、養育費は元夫から受け取りながら、経済的理由で州兵に入隊。〇五年にイラク派兵となり、子どもはハワイにいる自分の母親に預けました。帰国して同居できるようになっても、精神的に不安定な状況が続き、再度派兵されるかもしれないため、そのことを子どもに言い聞かせているというつらい体験を語っています。