2006年11月29日(水)「しんぶん赤旗」
「核兵器は違憲」明確に
衆院委 首相に吉井議員求める
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日本共産党の吉井英勝議員は二十八日、衆院総務委員会で、閣僚や自民党の要人から「核武装議論」の容認発言が繰り返される根底に、政府の誤った憲法解釈があるとして、核兵器は戦力不保持を定めた憲法九条に違反すると明確にすべきだと安倍晋三首相にただしました。
安倍首相は、「自衛のための必要最小限度の実力を保持することは憲法九条で禁止されているわけでない」として、「核兵器であっても、そのような限度にとどまるものがあるとすれば、それを保有することは必ずしも憲法の禁止するところではない」と従来の政府解釈をくりかえしました。一方で、「政策論として非核三原則を堅持する」とものべました。
吉井氏は、憲法九条で戦争放棄と戦力不保持を定め、憲法九八条により憲法の範囲内で原子力基本法を定め、核兵器の開発を禁じていると指摘。政府の憲法解釈で「核武装議論」に道を開くのではなく、核兵器は憲法違反だと明確にすべきだと重ねて求めました。
また、吉井氏は、一九九四年に安倍首相も発起人の一人となって「リベラル政権を創る会」が結成されたことを指摘。同会の趣意書には、「日本国憲法の精神を尊重」とうたわれていることを挙げ、「首相は改憲論者だが、自民党が政権に復帰するために、憲法の精神を尊重と言ったのか」とただしました。安倍首相は「自由主義という意味で賛同した。憲法を改正する必要があるという点では、私の考えは一貫している」と答弁。吉井氏は、「首相はまったくのご都合主義だ」と指摘しました。