2006年11月30日(木)「しんぶん赤旗」
パート法改正へ報告案
労政審 均等待遇対象は限定
厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会(横溝正子分科会長)が二十九日開かれました。二〇〇七年通常国会へのパートタイム労働法改正に向けて、公益委員による報告素案が提示されました。
雇い入れる際、労働基準法で義務付けている事項に加えて、一定の事項(昇給、賞与、退職金の有無)を明示した文書を交付することを事業主に義務付けました。労働者から求めがあれば、労働条件の決定に際して考慮した事項について説明することも義務付けました。
労働側が要求してきた通常労働者との均等待遇については、職務内容や将来にわたる人事異動の範囲・頻度が通常労働者と同じで、雇用契約が無期または継続的に契約を更新しているパートタイム労働者について差別待遇を禁止するとし、対象を極めて限定しました。
公益委員は「基本は均等待遇というチャンスを与えろというもので、待遇の底上げを意味するものではない」と説明しました。
また、正社員化については、「事業主は、通常の労働者への転換の推進に向けた措置を講じなければならない」とし、転換制度の導入や正社員募集への応募機会の提供などを盛り込みました。
同日の審議では、労働者委員から「パート問題は社会全体の問題となっており、もっと危機意識を貫くべき」「法改正は必要。事業主に任せてきたことが、こういう結果を生み出してきた」などの意見が出されました。
パート法の見直しそのものが必要ないと法改正に反対してきた使用者委員は、「あれもこれもしなければならないということになれば結局、全部やめざるをえなくなることもありうる」などとのべました。