2006年12月3日(日)「しんぶん赤旗」

森と自然を守る

「緑のダム」テーマ

全国集会が開幕

熊 本


 第十九回日本の森と自然を守る全国集会が二日から三日間の日程で、「緑のダム―森林の保水力」をメーンテーマに、熊本市の熊本学園大ではじまりました。

 森林保水力は、川辺川ダム問題でも大きなテーマとなっているもの。初日の二日には、約二百人が参加し、財団法人日本自然保護協会の横山隆一常務理事、脊梁(せきりょう)の原生林を守る連絡協議会の中村益行代表、松本幡郎・元熊本大学教授の三人が基調講演しました。

 横山氏は「日本の森の現状と保水力」と題して、世界や日本での森林をよみがえらす動きを紹介。「希少動物を重視するのは環境のものさしであり、この生物が子育てを続けられる自然からは、森や川から人への恵みも大きいから」とのべ、森林保護区を増やす必要性を訴えました。

 中村氏は、球磨川上流の樹齢三十六年以上の樹木の伐採の資料をもとに、保水力は、一九六〇年、七〇年代に比べ飛躍的に増えていると指摘しました。

 松本氏は、地質学の立場から森林の保水力について提言。保水力を考える上で、地質的・土質的要因を考慮すべきだと述べるとともに、川辺川ダム建設予定地に断層が走っていることを指摘しました。

 三日には、午前中、林業、砂防ダム、緑のダムとコンクリートダムについて分科会が開かれ、四日には川辺川ダム建設予定地周辺の現地見学会をします。

 開会にあたっては、日本の森と自然を守る全国連絡会の笠原義人代表、熊本集会実行委員会の原田正純委員長があいさつしました。


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