2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」
自立支援法
障害者の声に応えよ
参院委で紙議員 「応益負担」撤回迫る
|
「障害をもつ子どもの自立を願う、親御さんたちの子どもを思う気持ち、それにこたえるのが政治の責任ではありませんか」―日本共産党の紙智子議員は四日、参院決算委員会で、障害者自立支援法が障害者の生活に深刻な影響を与えている実例を取り上げ、原則一割の応益負担を見直すよう政府に迫りました。
紙氏がパネルで示したさいたま市の調査(グラフ)では、一割負担が導入された四月以降、利用者負担が「かなり増えた」と答えた人が六割を超え、「多少増えた」と合わせて八割の人が負担増に。家計への影響があると答えた人も約八割にのぼりました。
|
紙氏が話を聞いた知的障害者更生施設に通っている重度障害の女性(25)の場合、三月まで無料だった利用者負担が、四月から月約二万五千円に上がりました。収入は月約八万円の障害年金です。女性の母親は「心豊かな自立した生活をさせてやりたいが、応益負担でできなくなる。親がいなくなったあとを考えると心配でならない」と訴えました。
紙氏は「障害者が置かれている状況は、一刻も猶予がない」と追及。問題の大本にある「応益負担」の撤回こそ必要だと迫りました。
しかし安倍晋三首相は「所得に応じた利用料の上限が設けられている。ご理解いただきたい」と述べるだけでした。
厚生労働省が今後検討する負担軽減策について、柳沢伯夫厚労相は、具体的な内容は述べませんでしたが「(負担に)耐えられないから施設をやめてしまうということの生じないような方向での改善策を探っていきたい」と答えました。
紙氏は、そもそも障害者に対する予算自体が少ないことが問題だと指摘し、大企業への大減税をやめて、社会保障の予算を拡充すべきだと強調しました。
テレビで質問を見た人からは「障害者の気持ちと立場をわかってくださり、涙ながらに訴えていただいた紙さんに心から感謝しています」など大きな反響が寄せられました。