2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」
中国「残留孤児」 控訴するな 座り込み
帰国してよかったと思いたい
中国「残留日本人孤児」訴訟全国原告団と同弁護団は四日、東京・霞が関の厚生労働省前で「国の責任を認めた神戸地裁判決を真摯(しんし)に受け止め控訴するな」と座り込みを行い、その後、衆院第二議員会館で院内集会を開きました。
冷たい風が吹く中、座り込み行動には全国から三百人が参加。「足が痛いけど今日は頑張って来た」という兵庫訴訟の原告、村井いわ江さん(74)=神戸市=。横断幕をしっかり握り一歩も引かない決意で語ります。「生きるか死ぬかの苦労をしました。妊娠して大きなおなかでも、『仕事に行かないと飯を食わさんぞ』と言われ、悔しい思いをしました。日本の地で日本人として人間らしく生きたい」と、中国に置き去りにした政府の責任を批判しました。
民事上、二十年間の請求期限の除斥期間を理由に訴えを棄却された京都府福知山市の大中はつゑさん(69)は「中国で人間扱いされず、日本に帰ってからは、ばかにされてもっと苦しかった。なぜ私は認められないのですか」といいます。
「来年一月三十日の東京地裁判決でも、神戸のような判決を出してほしい」というのは東京訴訟原告団代表の宇都宮孝良さん(65)=東京都葛飾区=です。「年金は月四、五万円しかなくこれでは老後が暮らせません。北朝鮮拉致(らち)被害者と比較すると不公平」と、新しい支援策の立法化を訴えていました。
院内集会には日本共産党から吉川春子、仁比聡平両参院議員、吉井英勝衆院議員が出席。「判決を力にして、『日本に帰って良かった』と言えるように全力をあげます」とあいさつしました。
座り込みと要請行動は、控訴期限まで行う予定です。