2006年12月6日(水)「しんぶん赤旗」
教育基本法特委
「不当な支配」に行政含む
井上議員に文科相認める
日本共産党の井上哲士議員は五日の参院教育基本法特別委員会で、政府の教育基本法改悪法案の焦点である国家の教育内容への介入の問題について取りあげました。
井上氏は、憲法に基づいて教育への国家的介入は抑制的であるべきだとした最高裁判決の内容を一つ一つ確認。伊吹文明文部科学相は「『論理的には教育行政機関が行う行政でも不当な支配にあたる場合もありうる』と最高裁は判示しております」と、一九七六年の旭川学力テスト事件最高裁判決の核心を認めました。
そのうえで井上氏は、最高裁判決とこの間の政府答弁との食い違いをただしました。
五月の衆院審議で小坂憲次文科相(当時)は政府案について「最高裁判決の趣旨を踏まえ」たものと説明する一方で、「(政府案によって)教育委員会等の命令や指導などが不当な支配ではないということが明確になった」(小坂文科相)と矛盾したことを述べていました。
井上氏は小坂答弁について「最高裁判決とまったく違う」と批判。伊吹文科相は「小坂大臣は行政行為は不当な支配にあたることはないと言っている。しかし、そうではないという考えがあってもかまわない」と、見解の相違だと逃げました。
井上氏は「法案の核心部分で大臣によって答弁が違う。まだ審議が尽くされていないことを示している」とのべるとともに、「国や地方の教育行政も不当な支配の対象になるという伊吹文科相の答弁は大変重要だ」と指摘しました。