2006年12月12日(火)「しんぶん赤旗」

外資の献金を解禁

仁比議員 「参政権をゆがめる」

自公民賛成参院委可決


 外資50%超の企業でも「連続五年上場の国内法人」であれば献金規制の適用を除外する政治資金規正法改悪案が十一日、参院倫理選挙特別委員会で採決され、自民、公明、民主、国民新各党の賛成多数で可決されました。日本共産党の仁比聡平議員は「国家主権と国民主権の原理に抵触する重大な内容。国民の参政権保障がゆがめられる」と反対、社民党も反対しました。わずか一時間半の質疑で可決されました。

 現行の政治資金規正法が外資系企業の献金を禁じている理由について、政府は「政治や選挙が外国の勢力によって影響を受けることを防止する」ためと説明しています。

 仁比氏は「これは独立国としての国家主権と国民主権という憲法上の要請に由来するものだ」と指摘。法案提出者に対し「五年以上継続して上場されていれば、この要請を満たすと考える理由は何か」と問いました。

 加藤勝信議員(自民)は▽上場審査基準を満たしている▽会社の所有者(株主)と経営者が分離されている▽有価証券報告書などで株主構成などを公開している―などを理由に「外国勢力の影響にはつながらない」と答弁しました。

 仁比氏は「説明になっていない。持ち株比率が50%を超えればいつでも経営支配を及ぼせるし、取締役は株主の利益を図る忠実義務を負っている」と批判。「憲法研究者を含む参考人招致を行い、徹底審議を尽くすべきだ」と求めました。

 また仁比氏は、法案に政治資金収支報告書などを要旨の公表前には公開しないとの条項が含まれている点について質問。現在四十二にのぼる府県が、提出された収支報告書について、情報公開条例に基づく開示請求があれば開示していることを指摘して「多くの自治体が(政治資金の公開という)法の趣旨に沿って、積極的な運用をしている。これを一律に禁じようという法案は断じて許せない」と述べました。


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