2006年12月13日(水)「しんぶん赤旗」
現職とOBの「親ぼく団体」
官業癒着温床 防衛庁で26も
参院委 緒方議員明らかに
省移行を狙う防衛庁で、防衛施設庁の談合事件でも問題になった官業癒着の温床=現役職員とOBの「親ぼく団体」が、少なくとも二十六団体にも達していたことが十二日、分かりました。日本共産党の緒方靖夫議員が、同日の参院外交防衛委員会で、防衛庁提出の資料をもとに明らかにしたものです。
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防衛庁が緒方氏に提出したのは、同庁が四月二十四日までに把握したとする「親ぼく団体」の名称などを記載した資料です(別表)。
同文書によると、防衛施設庁では、談合事件で逮捕された元技術審議官や事件に関与したゼネコンがメンバーだった「施友会」を明記しています。
防衛庁では、管理局原価計算部や契約本部(いずれも現在は装備本部に統合)の現役とOBで構成する「調友会」や、装備品の研究開発を一元的に行っている技術研究本部の現役とOBで構成する「技本会」「やよい会」「卯月会」の存在を明らかにしています。発注する予定価格の積算や装備品受注にかかわる部署と天下りOBが「親ぼく団体」の形で一体化している姿を示しています。
緒方氏は、防衛庁の旧調達実施本部での背任事件(一九九八年)でも、「親ぼく団体」を“隠れみの”に、現役とOBが会合やゴルフを繰り返し、癒着の温床になっていたと指摘。今回の談合事件を受け施設庁は、OBを含む業界関係者との接触を禁じたことも挙げ、「親ぼく団体」についても「厳格な対策をとるべきだ」と求めました。北原巌男防衛施設庁長官は「あくまで親ぼく団体。ただちにうんぬんすることは考えていない」と開き直りました。久間章生防衛庁長官は「在職中の仕事と再就職した仕事の関係が切れているとか、関係をきちんとした方がいい」としつつ、「透明性確保には努力する」と述べるにとどめました。
防衛庁の現職とOBによる「親ぼく団体」
各機関共通 淡水会、防衛庁薬学懇話会、防衛歯科懇話会
防衛施設庁関係 施友会
契約本部関係 調友会
技術研究本部関係 技本会、やよい会、卯月会
陸上自衛隊関係 法友会、承風会
海上自衛隊関係 通友会、海医会、どんがめ会、武器関係者懇親会、水雷会、弾友会、艦船電波会、砲銃懇親会
海自・技術研究本部・契約本部関係 艦船技術会
航空自衛隊関係 AI会、MO会、空法会、三和会、そふと会、六八会
防衛大学校関係 武こう会
(防衛庁が、日本共産党の緒方靖夫参院議員に明らかにした資料から作成)