2006年12月13日(水)「しんぶん赤旗」

「公聴会」とは何なのですか?


 〈問い〉 教育基本法審議の「公聴会」で、やらせ質問があったり、反対意見がだされたりしているのにまったく無視して強行採決されたことに怒りをおぼえます。いったい「公聴会」とは何なのですか? 法律で決められていることなのですか? (愛知・一読者)

 〈答え〉 国会法第51条は「一般的関心及び目的を有する重要な案件」について「真に利害関係を有する者又は学識経験者等から意見を聴く」と定められており、これが「公聴会」です。

 公聴会には、国会で開かれる「中央公聴会」と、いわゆる議員を各地に派遣し意見を聞く「地方公聴会」とがあります。これは、「議案その他の審査若(も)しくは国政に関する調査のために又は議院において必要と認めた場合に、議員を派遣することができる」(同第103条)というもので制度的には区別されています。

 こうした制度は、「主権在民」の現憲法下の「国会法」ではじめて取り入れられたものです。中央であれ地方であれ公聴会を開くときは、案件にたいして賛成、反対の双方の立場から広く意見を聞き、審議に役立てようとするもので、国政に民意を反映させる大事な機会となっています。

 日本共産党は、公聴会で出された意見も重視し国会での法案審議に役立てています。

 衆院の教育基本法案の「公聴会」では、賛成の公述人の方からも「慎重な審議が必要だ」などの意見が出されました。ところが、与党の自民、公明党は、公聴会が開かれる前に採決日程を提案し野党の反対を押し切って公聴会当日に与党単独で「締めくくり総括質疑、採決」を強行しました。

 参院でも公聴会前に締めくくり質疑の提案をするなどまともに審議する姿勢を示していません。

 本来なら国民の意見を聞き審議に反映するために開かれる公聴会や地方公聴会、参考人質疑を「法案成立のための儀式」に悪用され、数の力で法案を強行成立させる民意無視の横暴がまかり通っています。

 政府は、いまだに教育基本法案は、「なぜ改定が必要なのか」明確な説明もできないままです。また、法案提出の根拠になった政府主催のタウンミーティングでの「やらせ質問」「さくら」問題の全容解明と責任、法案提出の資格が問われています。

 日本共産党は、臨時国会の会期末も近づき「教育基本法案」は審議未了廃案にすべきだと主張しています。(吉)

 〔2006・12・13(水)〕


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