2006年12月22日(金)「しんぶん赤旗」
「イラク増派も」
米大統領
【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ米大統領は二十日、ホワイトハウスでの記者会見で、イラク政策の転換では「増派も含め、すべての選択肢を検討している」とし、増派するためには「それによって達成できる明確な任務」が必要だと述べました。これは、イラク政策の大破たんに直面してイラクからの撤兵を求める声が米国内でも高まるなか、それに逆行する決定をする可能性を示唆した発言です。
同氏はまた、イラクなどでの「対テロ戦争」の長期化に備え、陸軍と海兵隊を増強する意向を表明しました。
ブッシュ氏は、前日の米紙とのインタビューで「(イラクで)米国は勝利していない。負けてもいない」と述べ、「絶対的に勝利している」(十月)との従来の発言を転換しました。二十日の会見では、「イラクでの勝利は達成可能だが、われわれが望むほど早くには起こっていない」と言い直し、困難に直面していることを認めました。
一方、「二〇〇六年はわが軍とイラクの人々にとって困難な年だった」が、来年も「難しい選択と、新たな犠牲が必要となる」とし、米国民に犠牲を強い続ける姿勢を改めて示しました。