2006年12月25日(月)「しんぶん赤旗」
とことん庶民負担 どうなる暮らし
政府予算案決定
来年の暮らし 我が家の場合は
安倍自・公内閣初の予算編成は、財界の要求を丸のみにする一方、貧困と社会的格差を解消してほしいとの国民の声は置き去りにしました。2007年、国民の暮らしはどうなるかをみてみました。 文/山田英明
引き続き負担増
〇七年は、一月の所得税の定率減税全廃を皮きりに連続的に庶民に負担増が押し付けられます。
国から地方への税源移譲に伴う影響で、一時的に一月に所得税額が減額される世帯も生じます。しかし、六月には住民税の定率減税全廃に加え、税源移譲によって、その減額分も含めた住民税額が増額されます。
〇四年の通常国会で決まった年金改悪によって、国民年金保険料も厚生年金保険料も引き続き増加します。低所得高齢者の住民税は〇六年に続き〇七年も増税。高齢者の介護保険料、国民健康保険料も引き続き増加します。
さらに〇七年度予算政府案には、生活保護の母子加算の段階的廃止が新たに盛り込まれました。
秋には増税議論
自民、公明両党は、〇七年度税制「改正」大綱で、〇七年度をめどに「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組んでいく」と宣言しました。安倍自公内閣は、〇七年の参院選挙後に税制の「抜本的・一体的改革」を本格化させる構えです。
「抜本的・一体的改革」では、消費税増税とともに、サラリーマンをはじめ多数の国民にいっそうの増税を押し付ける所得税増税も検討の対象にあげています。
自民・公明政権は、庶民だけに増税と社会保障改悪の負担増を強いて、悲鳴をあげさせ、“消費税増税やむなし”に導く兵糧攻め作戦を展開しています。
〇七年のいっせい地方選挙、参院選は、“庶民には負担増、大企業には減税などで応援”という自公政治に審判を下す絶好のチャンスです。
片働き4人家族
夫48歳、年収500万円
妻45歳、パート勤務、年収 100万円
子ども21歳、大学生
子ども15歳、中学生
◎夫の厚生年金保険料引き上げ +8850円
◎所得税・住民税の増税 +17600円
合計 26450円
共働きの夫婦2人
夫30歳、年収350万円
妻28歳、年収300万円
◎夫の厚生年金保険料引き上げ +6195円
◎夫の所得税・住民税の増減 +21400円
◎妻の厚生年金保険料引き上げ +5310円
◎妻の所得税・住民税の増減 +17200円
合計 50105円
自営業の夫婦2人
夫35歳、自営業、事業売上1500万円、経費を除いた後の夫の所得300万円
妻32歳、専業主婦
◎国民年金保険料引き上げ(2人分)+5760円
◎所得税・住民税の増減 +22600円
合計 28360円
年金生活の夫婦2人
夫71歳、年金額240万円、
妻70歳、基礎年金のみ60万円
◎国民健康保険料の引き上げ(2人分) +4000円
◎介護保険料引き上げ(2人分) +12000円
◎所得税・住民税の増減 +5000円
合計 21000円
ただし、標準的な国保料、介護保険料の自治体に住んでいると仮定。
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